お話を伺ったお客様

岩手県立宮古病院

副総看護師長
坪井 忠和 様

三陸海岸を代表する都市の一つで、本州最東端の都市でもある宮古市。

岩手県沿岸地域の医療を支える、岩手県立病院の9基幹病院の一つとして位置する岩手県立宮古病院様では、弊社製品を長らくご利用いただいており、約1年前に最新版へバージョンアップいたしました。
今回は岩手県立宮古病院様を訪問し、導入いただいている「電子カルテシステムMediClover」についてお伺いしました。

約1年前のシステムバージョンアップ後、デザインの見やすさや使いやすさなどに印象の変化はありましたか

デザインを見て受けた印象としては、まずは「優しい」イメージを持ちました。
ボタンなどの要所のパーツが丸みを帯びていたり、色使いが淡めの色合いになっていたり。
システムを使う上で職員は何度も同じ画面を見ることになりますので、目に優しく使いやすいというのはとても良いなと思いました。

使い勝手の面では、以前よりもボタンの配列や画面の構成が工夫されていて直感的で使いやすいように感じました。
スマートフォンを操作している時のようなイメージで、「ここを押せばこういう風に動作するのだろうな」というのがわかりやすくなりました。

システムバージョンアップから約1年経った現在、運用面での変化や使用感はいかがでしたか

1番大きく変わったところはバージョンアップで追加された、1つの画面の中で医師の指示や、患者様の1日の治療や検査などの様々なスケジュールが一覧で確認できる「カレンダー表示機能」についてです。使い初めは勝手があまりわかっておらず持て余していた機能でしたが、職員が仕組みを理解してからは非常に便利な機能として活用できるようになっております。

他に特徴的なものとして服薬機能というものがありましたが、こちらは導入された当時思うように上手く使える機能ではなくて、困ったところはありました。
当院のスタッフとアイシーエスさんの間でワーキンググループを設けて仕様や運用について話し合い、使いやすい機能に改良していただいたりもしました。

ただ導入して終わりではなく、そこから要望に合わせてブラッシュアップしていただけておりますので助かっています。

MediCloverには、ご要望を元にオーダーメイドで実装させていただいた「バイタル連携機能」がございます。機能の概要と、ご要望いただいた経緯をお聞かせください

バイタル連携機能は大きく分けて入院患者用と外来患者用の2つの種類があります。どちらの機能もスマートフォン上で動作します。
入院患者用の機能は、スマートフォンのNFC機能を活用したものです。各バイタル測定器から、NFCの通信を使ってバイタルデータをMediCloverに送信することができる機能です。
外来患者用はBluetoothを利用してバイタルデータを連携する機能です。体重計や血圧計などの医療機器がNFCに対応していない事からBluetoothを採用しました。看護師が紙にメモして電子カルテに後で入力するなどの手間が無くなります。

バイタル連携機能は私が釜石病院在職中の2020年に完成したものです。
当時診察の業務フローをデジタル化できないかと悩んでおりまして、市販のシステムを色々と探していました。
ただ、導入費用が高額だったり、使い勝手が悪いという噂を様々耳にしまして、それならば自分たちで一から機能を作り上げた方が理想に合った運用ができるのではないか、とアイシーエスさんにご相談したのがきっかけです。

結果、非常に使いやすい優れた機能が出来上がりました。
大手のバイタル機器メーカーの方が見学に来たこともありますが、非常に優秀な機能だと高い評価をいただいています。

「バイタル連携機能」の導入に当たってのハードルや、実際の導入に至るまでのストーリーをお聞かせください

外来患者用機能の導入にはハードルがありました。

先に入院患者用の機能を導入しておりまして、外来患者様のバイタル測定結果に関してはシステムに手入力する作業をしておりました。
手入力ですとやはり手間がかかりますし、誤入力のリスクもありました。
そこで、外来患者用のバイタル測定機器からも直接システムに情報連携をできないかとアイシーエスさんに相談した経緯となります。
計測のためにどんな方法を取るのが良いか二者間にて様々協議した結果、Bluetoothが最適と結論付きました。
しかし、Bluetoothを受信するための装置を開発するとなれば高額な費用がかかってしまうので、別会社製品のBluetooth受信機を組み込んで開発し、開発費用を安く抑える形で機能開発が実現しました。

開発期間は約1年間でしたが、開発スピードとしては非常に早く仕上げていただいた印象です。こういったシステムはニーズも年々変化してきますし、早々に運用を開始するのが大切だと思いますので、非常に有り難かったです。

「バイタル連携機能」の導入にあたって、弊社のサポートはいかがでしたか

現場で働く看護師の業務の効率化や、医療安全の面でデータの入力の間違いがないようにととても配慮をいただき、親身になって導入に取り組んでいただきました。

外来機能に関しても、「現場に使ってもらえる機能」を作ることを意識した時に、私とアイシーエスさんとの二者間のみで進めていくと視野が狭くなってしまうのではないかという懸念がありましたので、外来の看護師にもヒアリングをしながら意見を取り入れてブラッシュアップを重ねていきました。
活用されて初めて活きる機能ですので、どうやったらフルに活用できるかというところに関して、アイシーエスさんから様々な提案をしていただき助かりました。

外来用のバイタル連携機能は日本では前例が無いものでしたので、実現に向けてお互いに熱の入った議論をしながら、良い協力関係の中で優れたものが出来上がったという風に感じております。

今後「電子カルテシステム MediClover」を活用していく上での展望をお聞かせください

現在、様々な電子カルテシステムの機能をスマートフォンで使えるようにしていただいていますが、最終的には機能がもっと充実し、スマートフォンの中だけでほぼ全ての操作が完結できるような形にバージョンアップしていただければなと思っています。

最後に一言お願いします

今後もシステムのブラッシュアップや拡張、サポートにあたって、アイシーエスさんには大変期待しております。

導入した製品・サービス

電子カルテシステム MediClover

医師と看護師、そして、患者様との円滑なコミュニケーションを実現します。

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