岩手県釜石市様

被災地として初のクラウド導入 遠隔バックアップ構築

 釜石市様では、総務省の平成23年度第3次補正予算「被災地域情報化推進事業」の1つである「自治体クラウド導入事業」を活用し、弊社がご提供する自治体クラウドサービスをご導入されました。
 平成24年7月の受注決定から半年後の平成25年1月には、無事に本稼働を迎え、同事業を活用した自治体クラウドの運用開始は、被災自治体で初の事例となりました。
 また、自治体クラウドの運用開始に合わせて、住民基本台帳などの住民情報を大規模災害等から守るべく二重のバックアップ環境も構築し、住民情報の確実な保護と、事業継続を重視した災害に強いシステムを実現されています。

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 目指したもの
  • 職員負担をできるだけ抑えたクラウド移行
  • データ保全のための堅牢な環境構築
  • 回線障害時でも必要最小限の住民情報照会と証明書発行が行える仕組み
 成果
  • プライベートクラウドにしたことで、シームレスな移行を短期間且つ、最小限の職員負担で実現
  • 万一の場合にも安心して任せられる強固なバックアップ体制
  • データを安全な所に預けることができ、更に、何かあってもすぐに対応してもらえるという安心感の享受
  • クラウド移行により職員様の負担が軽減

被災地支援のご縁がきっかけです

- 導入、構築のきっかけは?
[佐々木氏]震災後、被災地支援のため他の自治体職員の方が派遣で入っていただいていましたが、その中に北九州市情報政策室の方がいらっしゃいました。北九州市の副市長は情報政策分野を担当されていたことがあり、今回派遣で来ていただいた方へ「情報分野で何か協力できることを探す」という特命を託されたそうです。「北九州市はクラウドでシステムを動かしています。これを活用して、釜石市の情報システム分野で何か支援ができませんか?」というお話をいただいたのがきっかけです。
[阿部氏]3つの案を提示していただきましたが、その中から一番実現性が高いと感じた「データバックアップの取得」で可能性を探ることにしました。
[佐々木氏]その後、総務省から震災復興に係るICT関連施策の話があり、自治体クラウドについても考え始めました。

震災の経験によって意識に変化

- クラウドの採用にあたり、自庁内での反対意見や調整が必要な部分はありましたか?
[阿部氏]震災の影響が大きいと思いますが、トップの意見として「データは安全な所に置く」というのがありました。近隣の自治体さんではデータそのものを消失してしまう事例もありましたので、「自庁内で安全に保管するよりも外に預けてしまった方がむしろ安全だろう」という認識のもとに、スムーズに進めることができました。

職員に大きな負担をかけないためにシームレスな移行を目指しました。

- クラウドでの導入について、重視した点は?
[佐々木氏]シームレスな移行を目指し、プライベートクラウドを選択しました。共同利用となると「仕様を統一しましょう」というのが前提になると思いますが、一番難しい問題ですし稼働まで時間もなかったため、それは避けたかった。
[村上氏]復旧復興の時期に、職員に大きな負担をかけずに移行できたのが良かったと思います。

クラウドだなんて気づいてないんじゃないかなあ。

- 稼働してみて、実際にお使いいただいている職員様の反応はいかがですか?
[阿部氏]現在使っている職員はデータがどこに置いてあるか知らないで使っていると思います。
[佐々木氏]業務システムを実際に利用している職員は「クラウドに移行した」というより「システムをリプレースした」ということだけだと思います。見た目が変わったのでシステムが変わったという認識があるものの、クラウドにしたことによる職員への影響はないです。

顔の見えるクラウドサービスで今まで以上の安心感

jirei_city_kamaishi_04- クラウドへ移行したことによる管理者の負担はいかがですか?
[佐々木氏]我々システム管理担当部門というか、私が一番安心しています。データを預けている所にSEさんがいることで、何か障害が起きてもすぐ対応していただけるということが一番の安心感としてありますね。クラウドサービスは雲の向こうのものという感覚はなく、ICSさんの言う「顔の見えるクラウドサービス」をしていただいていると感じています。
[阿部氏]ICSさんが提供しているクラウドサービスを「使いたい」という自治体が近隣でどんどん増えてくれば、結果的に同規模の自治体で共同利用している形になっていくものと思います。
jirei_city_kamaishi_05[村上氏]今まではシステム管理担当者となる人材を育てる必要がありました。業務的に専門でやってきているような職員はあまり市役所には入ってこないため、前担当者から新しい担当者へ技術を伝え育成していく必要がありました。現在、この通り復興がメインになっているので、システム管理担当職員が違う部署に異動せざるを得なくなり、今専門で担当している職員が一人になってしまいました。そういった状況の中、クラウドサービスが職員負担の軽減につながったという側面が大きいのは事実ですね。ICSさんにご支援してもらえることですごく助かります。

北九州市さんとのバックアップ回線も共同利用できます。

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- 北九州市へ構築したバックアップ環境についてはいかがですか?
[阿部氏]単純に、預けていることが安心というだけではなく、ICSさんのデータセンターであればICSさんが面倒を見てくれますし、北九州市さんは同じ自治体で情報分野では先進地ということがあり、万一の際、データさえあれば我々に代わって何とかしてくれるのではという心理的な安心感もありますよね。
[村上氏]北九州市とは連携協定も結びましたので、万一の際にはデータを含めて、協力が得られるという関係にあります。
[阿部氏]現在、北九州市さんとのバックアップ回線は釜石市だけで使用している状況ですが、賛同してくれる他の自治体さんにも共同で使ってもらえればその分コストを下げることができますので、賛同いただける自治体が増えてくれることを期待したいと思います。

他のシステムもクラウドサービスを検討したいと思っております。

- 今後の展望についてお聞かせください。jirei_city_kamaishi_07
[阿部氏]クラウドサービスは、利用する側はメンテナンスを意識することなく使い、何か困ったことがあったら連絡すると対応してもらえるという安心感がすごくいいですね。
データを外に出すことは初めての試みでしたが、今の状況を見れば全部出してもいいのかなと感じています。内部情報系の財務会計や人事給与などのシステムについても、是非検討したいと思っております。

- クラウドに踏み出してみたら「こんなにいいことがあるんだ」と思える大きな安心を感じていただけているようですね。我々としても今回のクラウドサービスの導入が間接的にではありますが、復興支援につながっているようにも感じます。 今後もお客様に喜ばれるサービスを提供できるよう尽力して参ります。貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。


お客様プロフィール

岩手県 釜石市様

市長 野田 武則 氏
人口 37,161人 (平成25年3月末現在)
世帯数 16,984世帯 (   同 上   )
所在地 〒026-8686
岩手県釜石市只越町3丁目9番13号
URL http://www.city.kamaishi.iwate.jp/

2013年12月掲載

本事例に記載のお客様の所属・役職は構築時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。