岩手県山田町様

全庁的な仮想化により情報基盤全体を最適化

jirei_town_yamada_02 jirei_town_yamada_01山田町様では、平成25年1月に住民情報統合システムINSIDE、内部情報システムBestsideともに仮想環境にてシステムを構築されました。ブレードサーバを採用し、サーバ群の仮想化はもちろん、クライアントPCもシンクライアントを利用し仮想化することで、情報基盤全体の最適化を実現されました。 東日本大震災のとき、通信インフラの復旧に災害発生から2ヶ月を要したこともあり、同町を取り巻く通信インフラに常に不安を抱える状況がありました。そのため、クラウドを選択せず、「安全かつ復旧しやすい形で、自庁内にデータを持つこと」を重視し、災害対策を考慮したシステムを実現されています。

 目指したもの
  • 運用管理負担の軽減
  • 災害発生時においても復旧しやすく、迅速に住民サービスを継続できる仕組み
  • コスト削減
 成果
  • サーバ群とクライアントPCの仮想化で少人数体制でも無理のない運用を実現
  • 職員およびクライアントの増減への柔軟な対応
  • 業務系サーバ約30台とクライアントPC約300台の仮想化により、
    ハードウェアの削減と省スペース化を実現
  • システムおよびデータの復元性の確保
  • 管理コストの削減に加え、電力コストも大幅に削減

管理の限界を超えていました

- 仮想化を目指したきっかけは?
[船越氏]クライアントサーバ方式のシステム導入から6年が経ち、当初の予想を遥かに越えて維持管理業務が拡大していきました。人員も導入当初3名から2名に減り業務毎にハードが増えていく状況の中、現体制での管理の限界を超えていました。
[佐々木氏]第一に維持管理業務の軽減を図りたいという思いから、仮想化という技術に着目しました。もちろん、コストの削減ができるかという観点からも検討しました。

チャレンジしよう

jirei_town_yamada_03- 仮想化に対しての不安や迷いはありませんでしたか?
[佐々木氏]もちろんありました。クライアントPCまで仮想化している自治体が近隣になかったこともあり、最初は自分達で仮想環境を試作して導入イメージを膨らませていきました。ICSさんも仮想環境での業務システムの稼働実績が多くはなかったということでしたが、こちらから仮想化の要望を出したとき、お互いにチャレンジ精神を持ってやってみよう、という結論になりましたね。このことで、一緒に考えるという雰囲気の中でイメージを具体化することができ、導入までの二人三脚ができたと思っています。結果、よりよい「ものづくり」ができたと感じています。

驚くほど楽に

jirei_town_yamada_04- 稼働してみて、管理業務は軽減されましたか?
[佐々木氏]驚くほど違います。今まではクライアントPCのサポートに多大な労力を割いていました。クライアントPCは庁内だけでなく各出先にもあるため、現地対応が必要となるケースが特に大変でした。それが今では電算室の自席から全てのサーバ・クライアントを管理できます。これが一番大きく、楽になりました。
[船越氏]少人数体制でありながら人に依存した管理になっていましたね。加えて情報基盤の管理業務は引継ぎが難しいため、その傾向は顕著でした。仮想化することで情報基盤を見直せる部分が多かったため、管理手順の平準化、簡素化が図れ、人にかかる負担が大きく減りました。
- 稼働から実感した仮想化のメリットはありますか?
[佐々木氏]クライアントの増減に柔軟に対応できるところです。緊急に窓口に端末が必要になった場合でも、10分あれば業務を開始できます。シンクライアント自体には何もすることなく、現在使用している仮想クライアントを複製するだけですからね。実際に導入直後同様のケースに遭遇しましたから、例えではなくなりますが。
[船越氏]セキュリティ面でも優れています。ネットワーク上を流れるのは画面の転送データだけなので、実データが流れないという安心感があります。震災当時は避難所への住基端末持ち出しを断念しましたが、今は端末を外に出せる方法を手に入れたのかなと思っています。

今までで一番スムーズに稼働

- 稼働してみて、実際にお使いいただいている職員様の反応はいかがですか?
[船越氏]混乱もトラブルもありません。今までで一番スムーズに稼働していると思います。
[佐々木氏]ファットクライアントからシンクライアントになりましたが、我々だけでなく職員にもすんなりと仮想端末が受け入れられています。INSIDEとBestsideは別々の仮想端末で動作していますが、1台のシンクライアントから使えますので、机上の省スペース化にもなり好評ですね。
- 仮想化を検討される自治体に向けてアドバイスはありますか?
[船越氏]導入の過程で初めて分かったことも多くありました。仮想と物理マシンの違いをしっかりと理解することが重要だと思います。
[佐々木氏]当町の仮想環境を見に来ていただきたいですね。実際に見て触ってみないと分からないことが多かったですから。

災害対策に有効

- 災害対策の面から仮想化は有効でしょうか?
[船越氏]大変有効です。震災当時には、支援でパソコンが届いてもOSがドメイン参加に対応していなかったため、業務を行うためのセットアップに時間を要しました。ところが、仮想環境であれば提供いただいたパソコンをシンクライアントの代替品として使用できますので、時間を要せず業務に利用できます。また、万が一、機器をすべて失い再構築したとしても、機器を選ばず、仮想サーバ、クライアントともにセットアップが短時間で済みます。仮想環境であることの最大の恩恵ですね。
また、消費電力の違いもありますね。当時は住民情報系、内部情報系のサーバが物理的に分かれていたので、電力の供給が追いつかず両方を動かすのは不可能でした。昼は住民窓口業務、夜は財務会計をとやりくりして運用しましたし、クライアントPCも少数しか動かせませんでした。しかし今後はブレードサーバにさえ電力が供給されれば全ての業務が利用可能です。消費電力も格段に少なくなったので、当町保有の自家発電機で充分賄うことができます。
[佐々木氏]庁舎の被害が小さかったこともあり自庁にサーバを置く決断に至っていますが、このシステムの復旧の容易さというメリット、さらに震災前に遠隔地へのデータバックアップが確立されていたこともあるため、災害対策という面での心配はしていません。バックアップを遠隔地に置くことでデータの安全性もより高まりますし、より安心ですね。

電気使用量は3分の1に

- 消費電力の変化のお話がありましたが、電力使用量の削減効果は出ていますか?
[船越氏]サーバ・クライアント全て合わせて、電気使用量が実測で約3分の1になっています。電気代が上がっている背景もありますし、かなりのコストダウンに繋がっています。
[佐々木氏]導入前に電力使用量を試算しているのですが、試算を上回る削減率です。ブレードサーバもですが、シンクライアントが省電力であることが大きいですね。

仮想化範囲の拡大。将来的にはクラウドも。

jirei_town_yamada_05- 今後の展望についてお聞かせください。
[佐々木氏]学校の端末はまだ物理マシンなので、仮想化を推進していきたいです。まだブレードサーバの性能の10分の1も使っていないですし、今後何か新たなニーズがあっても充分対応できると思っています。
[船越氏]当町は通信インフラに不安を抱えるためクラウドという形態は見送りましたが、環境が整えば検討したいですね。その時は構築した仮想環境をそのままICSさんに預けてクラウドを始めることもできますね。

- 全庁的な仮想化により多くのメリットを感じていただけているようですね。我々としても今回の環境構築のご支援ができたことを誇りに思っています。今後もさまざまな課題解決や新たな施策のご提案を行いながら、より良い環境づくりに向けて努力して参ります。貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。


お客様プロフィール

岩手県 山田町様

町長 佐藤 信逸 氏
人口 17,099人 (平成25年4月1日現在)
世帯数 6,728世帯 (    同 上   )
所在地 〒028-1392
岩手県下閉伊郡山田町八幡町3番20号
URL http://www.town.yamada.iwate.jp/

2013年12月掲載

本事例に記載のお客様の所属・役職は構築時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。